2013.12.30更新

1(1)貸主(甲)と借主(乙)の賃貸借契約とします。
 (2)甲の債権者Aが賃料債権の差押えをしました。

2 甲が乙に賃貸目的物を譲渡した場合、差押えの目的物である
 賃料債権の発生原因である賃貸借契約が終了するため、譲渡後
 の賃料債権が発生しません。
  そのため、Aは乙に対して、賃料債権の取立請求をすることが
 できません。

3 ところで、甲が賃貸目的物を第三者(B)に譲渡した場合、賃料
 債権がBに帰属します。
  そして、Aは乙に対して、賃料債権の取立請求をすることができ
 ます。

4(1) すなわち、差押債権者は、賃借人が賃貸目的物を譲り受け
   ると賃料の取立請求ができませんが、第三者が譲り受けると
   賃料の取立請求ができます。
 (2) そこで、甲・乙が通謀して、賃料債権差押後に賃貸目的物を
   譲渡した場合は、どうなるのか(賃料債権の取立ができないと
   いう結論でよいのか)という問題点が指摘されています。

5 この点、判例は、「賃借人において賃料債権が発生しないことを
 主張することが信義則上許されないなどの特段の事情」がある場
 合には、取立請求を認める余地を残しています。

投稿者: 北薗法律事務所

2013.12.21更新

1 賃貸人の破産において、賃借人の敷金返還請求権は、賃貸借契約が終了し、
 目的物を明け渡すことを停止条件とする破産債権となります。
  敷金返還請求権は、破産債権としての届出をしても、①最後配当の除斥期間
 満了までに賃貸借契約が終了し、かつ②明け渡しが終了しなければ、配当から
 「除斥」即ち配当を受けられません。

 
2 通常、敷金返還請求権を有している賃借人は、破産管財人に対し、敷金返還
 請求権の限度で賃料弁済額の寄託を請求しています。
  その場合、1の①②の条件を満たし、相殺の意思表示をして寄託金の返還を
 受けることで、事実上敷金の返還を受けることができます。

3 1の場合、破産管財人は配当表では、備考欄に明渡未了等停止条件不成就
 のことを記載します。

4 私は、賃借人に、敷金の回収不能にならぬように、不安の抗弁権のことを伝え
 るようにしています。


投稿者: 北薗法律事務所

2013.12.21更新

1 収益執行は、最後の配当を行うとその手続が終了となります。

2 終了にあたっては、
  ①管理費の債務支払のチェック
  ②管理人名義で終了した、管理に関する契約の処理
  を行います。

3 ① また、収益を、
 (a)配当分
 (b)新所有者帰属分
 (c)旧所有者帰属分
 に振り分けることも必要です。

② 管理人の賃料収取権限の消滅と賃借人への通知に
 タイムラグがあることから、収取権限消滅後も、管理人の
 口座に賃料が入金されることがあります。
  その賃料は配当に充てることはできませんので、
 誰に返還(交付)するのかということを検討します。

4 申立債権者から、前払費用として予納金の交付を受けている
 場合、その余剰分を申立債権者に返還したかのチェックも必要
 となります。

投稿者: 北薗法律事務所