2016.02.19更新

1 ①破産管財人、②相続財産管理人(多重債務型)、③相続(換価分割)等の案件で、不動産を売却する場合、不動産業者に依頼することになります。
 ①、②は一般媒介契約ですが、③は専任媒介契約で依頼することもあります。
2(1)不動産業者の選定は、①破産管財人の案件の場合には、ア)抵当権者のつながり、イ)破産者のつながり、のいずれかによる引継もあります。
(1)引継がされない限り、私は自分で依頼している不動産業者に依頼しています。引継がされた場合でも、能力的に難ありと判断した場合は、依頼はお断りしています。
3 官報をみて、任意売却専門を「標榜」して、セールスをかけてくる不動産業者もありますが、上記2のア)、イ)以外の業者は、お断りするようにしています。
4(1)不動産業者は、売り側と買い側のそれぞれから委任を受けることが多いですが、売り側から受任した業者が、買い側からも受任する(双方仲介)になることもたまにあります。
(2)私は、物件によっては、売り側にのみ専心する業者に依頼するようにしています。
(3)私が、現地を先に見に行った場合には、不動産登記事項証明書記載以外の物件情報を、口頭あるいは書面で不動産業者に伝えます。
   先日も、現地を見に行ったところ、当該物件への進入路を国から借りていることが分かったので、その旨を伝えました。
5(1)破産管財人(売り側)の不動産業者には、一般的な不動産売買の業務に加えて、
 ⅰ 抵当権者への売出価格の打診、価格の「下げ」交渉の補助
 ⅱ オーバーローンである場合、抵当権者間の受戻額交渉の補助
 を行ってもらいます。
(2)(1)について、能力的に難があれば、上記2ア)イ)の不動産業者はお断りしています。
6(1)私が依頼する業者は、
 A 地区毎に1名。3地区で計3社。
 B Aの3地区以外の地域で計2社。
 の合計5社あります。
(2)不動産の価格が低い地域については、同一業者に依頼しています。
7 不動産業者の査定書には、①価格、②価格の根拠(売却事例等)、③売出価格の提案、④公図・建物図面・住宅地図、が掲載されていますが、⑤写真の添附、がされていることも要求しています。
8(1)査定書を確認すると、抵当権者の売出価格(内部の査定資料)との「乖離」の程度が分かるため、売却に至るまでに要する期間も予測することができます。
(2)上記5のとおり、抵当権者の売出価格を下げる交渉力(独自の、あるいは破産管財人の交渉の補助としての)も、不動産業者に要求しています。
(3)先日は、上記5のⅰ、ⅱについて、2つの不動産業者にそれぞれ分担してもらい、売り側の仲介手数料を「分かれ」にしてもらったこともありました。
(4)また、破産者のつながりで担当していた不動産業者が、既に一定の売却実績を上げていたため(全約60区画中約20区画が売却済になっていた)、引続き担当をお願いすることにしましたが、上記5のような役割までは経験がないということでしたので、売り側の仲介手数料を「分かれ」にしてもらって、経験のある業者と共同で、残りの区画の売却を担当してもらった、ということもあります。
9(1)任意売却をメインにしている不動産業者は、抵当権者の特性を把握していますので、抵当権者間の受戻額算出の補助業務についても、その勘所を押さえてくれています。
(2)受戻額の交渉について、不動産業者の意見を参考にして進めることも多いです。
10 抵当権者がサービサーである場合、既に抵当権者が依頼した不動産業者が売却活動をしている場合が多いですが、この場合、売出価格は既に交渉済であるため、相場と抵当権者の希望額との「乖離」を確認するのは容易です。
11 先日の協議会で話す時間が少なかったため、概要をまとめてみました。

投稿者: 北薗法律事務所

2016.02.11更新

1 現在、成年後見人に選任されている案件で、成年被後見人(本人)の自宅の売却を検討しています。
2 一般に、本人が施設に入居していて今後も自宅に戻る予定が無く、推定相続人が兄弟または甥や姪のみというとき、成年後見人として、本人の自宅の売却を検討する場合があります。
3 なお、成年被後見人(本人)が所有する自宅不動産の売却には、裁判所の許可が必要です。
4 従前、成年後見人に選任されていた別の案件で、裁判所の許可を得て、本人の自宅の売却を行おうとしたところ、本人が亡くなってしまう(相続開始)ということがありました。
  自宅売却の手続として、県外に点在する多数の相続人の実印及び印鑑証明書の取付けを行うことになりました。

投稿者: 北薗法律事務所

2016.01.20更新

1.法人の破産事件(破産管財事件)において破産管財人が破産財団から放棄した不動産につき、破産事件の終結後に任意売却を行う際には、清算人の選任申立を行います。
 この場合、清算人は、会社の清算手続の全てを行うためではなく、選任申立の範囲内の清算事務(特定不動産の任意売却)のみ行うために選任されます(スポット型)。当該任意売却が終了した時点で、裁判所が選任を取り消し、選任にかかる登記も裁判所書記官からの嘱託で抹消されます。
2.任意売却のための清算人の選任に要する費用として、申立手数料・予納郵券(郵便費用)の外に、①清算人の報酬、②清算人選任・抹消の登記費用、③売買目的不動産の登記識別情報(権利証)が無い場合の司法書士等による本人確認費用(私は「事前通知」の方法は採りません)が必要です(予納金の納付)。
 ちなみに、③に関して、破産管財人が任意売却を行う場合には登記識別情報等が不要です(裁判所の許可書の添附で足りる)。
3.清算人の選任申立に上記2の費用を要することから、私は、破産管財人に選任されていた案件において不動産業者から清算人選任申立の打診を受けた場合、まずは抵当権者に対し、費用を計上した上で作成した配分案を示して了解を得ることにしています。
4.一方、ある事案では、財団放棄された不動産に任意売却の目途が立たない段階で、抵当権者から、清算人選任申立の予納金を納めた上で、清算人選任の打診がなされたこともありました。
また、他の事案では、不動産競売開始決定後に所有者(法人)が破産した上、破産管財人が当該不動産を破産財団から放棄した際、特別代理人選任申立ではなく、清算人選任の打診がされたこともあります。
5.その他、清算人として清算事務としての任意売却終了後、その法人の所有していた他の不動産が競売中であったため特別代理人となっていたところ、再度清算人として最終処理を依頼されて清算人となり、特別代理人選任が取り消されたという案件もありました。
6.なお、私は、現在、通常の清算人(スポット型ではなく、清算事務全てを終わらせる)の案件も1件受任しています。

投稿者: 北薗法律事務所

2015.11.12更新

1.収益物件を売却した場合、所有権移転手続後も残務処理が必要な場合があります。
2.収益物件の賃貸借契約者が売主(所有者)ではなく、管理者である場合(管理型の転貸借の場合)、売主は借主との間の賃貸借契約書を有していないこともあります。
 その場合、売主と管理者(転貸人)間の管理契約の精算と並行して、管理者から契約書の引渡しを受けることになります。
3.収益執行の場合、賃貸借契約書は管理者と債務者(所有者)が別々に有しているので、債務者(所有者・売主)は、管理者から管理者保有の契約書の引渡しを受ける必要があります。
4.通常前払いとなっている賃料について、次回支払日までに賃料支払先口座の切り替えが完了しない場合には、次回分の賃料を買主側に支払うことも必要になります。
5.共有部分の公共料金も、買主への契約者の名義変更がスムーズにできなかった場合には、後日、売主と買主間での日割り計算による精算が必要になります。
6.以上の場合、借主に対する貸主交代の挨拶状は、売主(旧所有者)と買主(新所有者)の2者連名ではなく、管理者(転貸人、収益執行の管理人)を加えた3名連名となります。
7.現在、2件の収益物件について、それぞれ所有者側(売主)と管理者側の立場で、売却後の残務処理をしています。

投稿者: 北薗法律事務所

2015.06.09更新

1.破産管財人、相続財産管理人、担保不動産の収益執行の管理人として、多重債務型の法的手続を行う際に収益物件を取り扱う場合には、以下の点を聴き取る、あるいは説明するようにしています。
2.必ず聴き取る事項
(1)賃料の集金を行っている者(集金代行か、サブリースか)
(2)契約書や鍵の所在
(3)本人が負担している管理費用(電気、水道、自治会費、エレベーター、浄化槽等)
(4)空室状況
(5)管理契約の内容(管理業務として追加すること)
3.新規の賃貸借契約に関して聴き取る事項・説明する事項
(1)新規契約時に許可が必要か、及び許可に要する時間
(2)敷金の差入を求めるか否か
(3)募集条件につき、抵当権者の了解を要するか
4.競売手続に関して説明する事項
(1)手続の流れ(開始、現況調査、入札期日の通知日、入札日、代金納付日)
(2)不安の抗弁権と敷金の関係
(3)任意売却後の手続
5.その他、価格についても聴き取ります。
①三重は、収益物件の購入につき、利回りを12~13%とする事が多いようです。
②但し、管理の不十分さや新規入居者募集をするか否かの判断等により、空室率が高い物件が多く、その場合、利回りをどの程度とするかによって、価格に差が生じてきます。

投稿者: 北薗法律事務所

2015.04.29更新

1.農地の任意売却をする際、農地法3条あるいは5条の許可を得る手続をすることが多いです。
2.今回ある案件で売却した農地は、「市街化区域」内に所在していたため、農地法5条の許可が不要で、届出のみで足りました。
3.この場合の届出(農地法5条1項6号)については、政令に定めがあり、通常は、行政書士の先生にその作成を依頼しています。

投稿者: 北薗法律事務所

2015.04.20更新

1.共同申請ではない登記申請(単独申請)としては、判決や相続を登記原因とする登記が、実務ではよくみられます。
2.今回、相続財産管理人の案件で、「債務者」である当職宛に、債権者代位による登記(代位登記)が完了した旨の通知書が送られてきました。
3.代位申請は、(1)債務者が登記権利者である場合、もしくは(2)債務者が単独の申請人となって申請すべき登記の場合、に限って認められると解されています。
4.今回の案件では、登記名義人の氏名変更の登記がされたとの通知でした。登記名義人の氏名の変更は、権利そのものの変更ではなく、また氏名の変更について利害関係を有する者も考え難いことから、登記名義人が単独で申請できるものです。

投稿者: 北薗法律事務所

2015.02.17更新

1 任意売却の目的不動産に、当該不動産を使用する賃借人がいる場合、新たに貸主となる買主側に、売買契約に伴う条件(承継する賃貸借契約の内容等)を説明することになります。
2 破産管財人が、破産財団に属する不動産を任意売却する際には、破産管財人がこれらの説明についての責任を負わない条項を、売買契約に入れておきます。
3 賃貸借契約の内容等とは、主に、①賃料額、②賃料の支払時期、③滞納状況、です。
4(1)原則として、未払い賃料債権は、契約事項として、買主(新たな貸主)に譲渡しませんが、譲渡することもあります。
 (2)不動産の売却にあたり、賃料未払いのある借主に対して、「破産管財人が賃料の未払いを理由に賃貸借契約を解除することはないが、破産管財人が未払い賃料債権を買主に譲渡した場合に、買主(新たな貸主)が、賃貸借契約の介助を選択することもある」と警告することがあります。この警告で、未払い賃料の回収率が上がる場合もあります。
5 買主(新たな貸主)も、賃料を滞納する不良賃貸人は追いだしたいと考えるため、未払い賃料債権を譲り受けたいと希望することが多いです。賃料の未払いによる解除警告を揺さぶりの材料として、購入後の賃料未払いを防ぎたいと考えているのです。
6.ところで、賃借人が駐車場の場合、駐車場としての土地の賃貸借契約には、借地借家法の適用がありません。破産管財人が任意売却した後、買主(新たな賃貸人)がすぐに解除の申し入れをすると、賃借人から、破産管財人や裁判所へのクレーム(法的有意性はともかくとして)がされることが懸念されます。
7.そこで、売買契約に伴う条件として、買主(新たな貸主)が、購入後一定期間は解除申入れをしない旨を定めることを検討したが、この点に関し、裁判所に指示を伺ったところ、裁判所の結論も一定期間を設ける事、その期間の長さについて、当職とほぼ同じでした。

投稿者: 北薗法律事務所

2015.02.06更新

1.遺産整理の案件で、不動産の売却支援業務をしています。
2.また、成年後見人に選任されている案件では、被後見人の自宅以外の不動産についても、裁判所と相談しながら売却しています。
3.いずれも、本年の不動産譲渡税の申告があるので、申告準備も含めて、税理士とも相談をしながら進めています。
4.私は、①破産管財人、②相続財産管理人、③不在者財産管理人、④清算人、に選任されている案件でも、代理人ではなく実質上の本人として不動産を売却することが多いです。

投稿者: 北薗法律事務所

2015.01.08更新

1.不動産関係の案件について、対象土地の境界も争点となりそうでしたので、現地を確認しに行きました。
2.依頼者より、①予め対象土地の写真の提出を受けており、②事案の争点も理解していたため、自分の事実認識の確認が主たる目的でした。
3.現地を見て発見することもあるため、できる限り現地確認に行くようにしています。

投稿者: 北薗法律事務所

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