弁護士北薗のBlog

2018.08.08更新

1 当事務所に「出張」弁護修習に来ている修習生に、先週に続いて決済に同席してもらいました。

2 相続財産管理人の案件でしたが、今回の案件には、多重債務型であるため売却して換価するほかない、という事情がありました。当該不動産は売却が非常に困難であり、今回決済に至るまでに、競売手続にて3回入札がなされましたが落札者が無く、競売が職権(民事執行法)で取り消されている案件(いわゆる「スリーアウト」)でした。

3 また、当該不動産は複数の賃貸借契約の目的物でもありました。

4 今回の決済立会いの検討事項など、『北薗法律事務所修習日記2』(本人の了解を得て当ブログに掲載しています。)にまとめてくれています。よろしければご覧ください。

なお、決済の場で、私と仲介業者が、賃貸借契約が複数あることに触れて話していましたので、もしその点に気付いていれば、「隠しポイント」も加点するつもりでした。

 

投稿者: 北薗法律事務所

2018.08.07更新

第71期司法修習生です。

今日から1週間、北薗法律事務所で(出張)弁護修習をさせていただいております。

今日は、津地方裁判所某支部で行われた弁論準備手続に立ち会いました。

さて、司法修習生は、事前に記録を読み、訴訟物、請求原因、抗弁等を確認してから期日に臨むのが一般的だと思います。私も、例にもれず、できる限りのことをして、期日に立ち会おうと心掛けています(民裁修習中に、裁判官から訴訟物と要件事実について何度も質問を受けたことも影響しています…)。今日の事件についても、事前に記録を読み、訴状物等の確認を行いました。しかし、関連事件が十数件に及び、事件の全体像まで把握することはできませんでした。実務修習も終盤戦に突入し、未だに慣れないのが「大量の情報を短時間に(アウトプットに耐えうる程度に)インプットすること」です。記録を読むスピードは上がってきましたが、事件関係者や数字が多く登場すると、一気に頭が混乱します。おそらく、記録をメリハリなく読んでしまっているのが原因だと思います。これから経験を積むことで、大量の情報の中から、重要な情報を抜き出すことができるようになるのでしょうか。

今回の事件は、事件が複雑であり、その全体像を理解するためには、お金の流れを正確に把握しておく必要があると感じます。事件関係者が多く、数字も多く登場する事件です。記録の中を行ったり来たり、メモを取りつつ図示して視覚化していきます。

期日終了後、事務所に戻ってからは、「期日報告書」の作成を行いました。期日の内容については、毎回メモ帳にメモをしていますが、詳細なメモまではしておらず、期日報告書の作成を期日終了後に言い渡され、猛暑の中、冷や汗まで出たとか出ないとか…。

期日報告書とは、訴訟代理人である弁護士が、裁判所の期日に行われた内容を依頼者である企業等に報告するものです。原則、その日のうちに作成され、依頼者に送付されます。弁護士によって、その内容は千差万別で、一言一句漏らさず書かれているものから、要点をまとめたものまで様々です。今回、私は、北薗先生が以前作成した報告書や「若手弁護士のための民事裁判実務の留意点」(圓道至剛)を参考に作成しました。相手が企業ということもあり、導入部分も丁寧に作成しましたが、企業だからこそ、余計な部分は必要がないのかもしれません。

また、事務所に戻ってからは、別件の事件(請負代金請求)に関して、訴状の作成を行いました。限られた資料で作成しましたが、色々と当事者に聞きたいことも頭に浮かび、資料が少ないうちでも一度起案して、問題点を想像してから打合せにのぞむことが重要であると感じました。

投稿者: 北薗法律事務所

2018.08.07更新

1 今週も、司法修習生が当事務所に「出張」弁護修習に来ています。

「出張」期間中、『北薗法律事務所修習日記』を提出してくれるようです。

(修習日記も本人の了解を得て当ブログに掲載しています。)

2 昨日は、弁論準備期日に同席してもらった後、期日報告書の作成を課題としました。

当事務所の期日報告書は、

①双方当事者の提出書類の説明

②裁判所からの釈明等、期日内のやりとりの報告と説明

③今後の方針と依頼者の準備事項

などを書くようにしています。

3 また、サービサーへ債権を売却した案件の記録を見てもらいました。

サービサーへの債権売却手続の大まかな流れは以下のとおりです。

①サービサーへの買取額見積依頼

②売買契約書作成

③売買代金の入金

④債務者に対する債権譲渡の通知

⑤債権譲渡通知書の配達証明書を受領次第、通知書と証明書をサービサーに送付

⑥債権譲渡の基準時以降入金額をサービサーに交付

4 その他、別件の訴状の起案も課題としました。

投稿者: 北薗法律事務所

2018.08.01更新

1 不動産の任意売却の決済に立ち会わせていただいた。任意売却に関する事前知識としては、「住宅ローンの支払いが困難となった場合に、強制競売よりもその返済額を高額にすることができる手段」という程度の知識しかなかった。
 また、今回の任意売却は、北薗先生が相続財産管理人として行うものであった。司法修習生は、家庭裁判所でも修習を行うが、修習期間が短いこともあり、相続財産管理人については、司法試験レベルの知識しかなかった(なお、恥ずかしながら、司法試験レベルの知識に関しても、徹底した復習が必要だとは感じている)。
 以上のような状況であったため、私の決済立会い前の知識レベルは、直前に書籍等を読んで詰め込んだ程度である。
2 決済のおいては、事前にほとんどの準備がなされており、当日は、各種書類の受け渡しが瞬時に行われ、手続きが停滞することはなかった。なお、着金の確認時間に関しては、金融機関によって差異があり、場合によっては長時間待たされることもあるとのことである。
  決済当日、不動産仲介業者の方が、様々な準備、手続きを行っていたのが印象的だった。任意売却を主導する中心的な役割を担うのは不動産仲介業者であることが多い。
3 任意売却には、様々な条件が付加される。例えば、農地転用する場合には、その許可が必要となる(農地法5条)。その場合、売買契約書には、その停止条件として、家庭裁判所の許可(相続財産管理人の権限外行為であるため)、担保権者等の協力(任意売却との関係)と並んで農地法5条の許可が記載されるとのことである。誰が農業委員会に許可申請をするのか等、更なる理解に努めたい。
  なお、農地転用に関しては、登記の地目変更が必要であり、任意売却の決済では、地目変更まではできないとのことである。決済後には、司法書士によって各種登記申請の手続きが行われるため、地目変更も含めて行われるのかと思っていたが、そもそも地目は土地の現況が変わらなければ変更できず、その変更も土地家屋調査士によって行われる。
4 今回は、北薗先生をはじめとする任意売却の当事者の方のご厚意により、決済に立ち会わせていただいた。大変勉強になったと感じる一方で、自分の勉強不足も痛感した。今回の経験を、今後の修習に活かしていきたい。

投稿者: 北薗法律事務所

2018.08.01更新

1 本年も、司法修習生が当事務所に「出張」弁護修習に来ています。

今日は、決済(相続財産管理事件の管理不動産売却)に立ち会ってもらいました。

2 私から修習生に出した課題は、以下の3つです。

①決済の場で行われる法律行為を説明せよ

②決済後、相続財産管理人選任処分の取消審判までに必要な事項を説明せよ

③決済に立ち会っての感想文

3 課題①と②について、特記すべき「漏れ」はありませんでした。

4(1)課題③の感想文は、当日得た知見を記載するように指示しました。

(感想文も本人の了解を得て当ブログに掲載しています。)

(2)今回の決済は、抵当権者がサービサーであったところ、サービサーの存在については知っていたものの、サービサーの組織や弁護士法72条・73条との関係については、少し知識が不足していたようでした。

5 司法修習生としては、応用問題として、農地の扱いや登記手続、要件事実等も勉強しておくと良いと思います。

また、司法書士や土地家屋調査士の権限については、不動産登記簿の「表題部」と「権利部」との区別と合わせて理解しておくことが必要です。

投稿者: 北薗法律事務所

2018.06.08更新

1(1)相続財産管理人(相続人不存在の場合に選任される相続財産の管理者)が、相続財産に属する不動産を国庫へ引継ぐ際の従前の運用例について、文献では次のとおり記載されていました。

「実務上、不動産を国庫に引き継ぐのは例外的であり、相続財産管理人が権限外行為許可審判を得て現金化(換価)した上、家庭裁判所に納入するという方法がとられています。この理由として、財務局において、国有不動産の管理に係る予算措置を講ずるのが困難であることや早期に売却しなければならないこと等の理由があり、家庭裁判所に対し、金銭による納入を望んでいるという背景があります(片岡武ほか『第2版 家庭裁判所における成年後見・財産管理の実務』421頁(日本加除出版、平成26))」

(2)そのため、従来は、相続財産の中に境界の確定が困難な不動産や僅少な面積の不動産(財務局が引継ぎに慎重になる不動産)がある場合には、相続財産管理人としては、隣地所有者に買い取ってもらう等して、すみやかに処分するのが相当とされてきました。

(3)私も、相続財産管理人に選任された案件に関し、これまでは、不動産は全て処分のうえ、金銭を国庫帰属させてきました。

2 ところが、平成29年6月27日付で理財局から財務局に対してだされた「国庫帰属不動産に関する事務取扱について」と題する事務連絡では、「相続人不存在不動産」に関し、概要以下2点のとおりとされています。

(1)相続財産管理人から相続人不存在不動産に関する相談が財務局等になされた場合、必要に応じて、「清算に必要な弁済額以上の換価を行う必要がないこと等」の説明を行うこと。

(2)相続人不存在不動産の現地調査に関し、相続財産管理人が遠方である等やむを得ない理由により立会いをすることができない場合は、「相続財産管理人の立会いを省略しても差し支えない」こと。また「公図混乱地域等で現地の特定が困難な場合は現地調査を省略しても差し支えない」こと。

3 上記2の事務連絡は、同日付で、財務省理財局から最高裁判所事務総局家庭局にも参考書類として送付されています。

4 以上の点を踏まえて、先日、相続財産管理人に選任されている事案において、管理不動産に関する報告書を家庭裁判所に提出したところ、家庭裁判所より国庫帰属を財務事務所に打診されたい旨の指示がありました。

5(1)そこで、財務事務所に連絡をした結果、来週、国庫帰属に関する打合せを行う予定です。

(2)財務事務所との連絡の中で、事前協議段階における現地調査について、上記2(2)のとおり現地調査の省略が可能であることに関するやりとりもありました。

6 本件については、家庭裁判所も国庫帰属の実際の運用状況に関心を持たれているとのことですので、今後の状況を適宜報告していく予定です。

投稿者: 北薗法律事務所

2018.04.09更新

1 故人の相続人(配偶者、両親、子、兄弟姉妹、及び兄弟姉妹の子)の存否が不明の場合(相続人が放棄した場合も含む)、家庭裁判所への申立により、相続財産管理人が選任されます。

相続財産管理人を受任した経験上、被相続人が多重債務者であり相続人全員が相続放棄したという場合(①多重債務型)が多いです。他に、相続財産を国庫に帰属させる場合(②国庫帰属型)、被相続人の生前に生計を同じくしていたり被相続人の療養看護に努めていたりした人(特別縁故者)がいる場合(③特別縁故型)があります。

2 上記1①ないし③の全ての型の相続財産管理人案件を受任していますが、現在、③特別縁故型の案件を複数受任しています。

3 最近は、相続人がいない人の相続につき、③特別縁故者型の相続財産管理人事件が増えつつあるのではないか、という印象を持っています。

4 特別縁故者として相続財産分与申出という方法があることを知っている方の中には、相続人の生前において、特別縁故者への遺贈を定めた遺言を作成してもらうという方法を知っている方もいます。

もっとも、特別縁故者が従兄弟など本人と一定の関係を有している場合、本人の生前には遺言の作成をなかなか申し出ることができず、特別縁故者への相続財産分与申立をするということもあります。

5 特別縁故者に対する遺贈を定めた遺言は、一般に遺言に関しよく発生する「遺言無効の紛争」や、「遺留分」(法定相続人に保障された最低限度の取得分)を巡る争いは通常発生しません。そのため、特別縁故者に対する遺贈を定めた遺言を作成しておけば、相続財産管理人選任申立という煩雑で期間も要する手続きを経ることなく、比較的スムーズな相続を行うことができます。

6 ③特別縁故者型の相続財産管理人選任による場合には、

(1)相続財産管理人選任申立の為の資料取得等の準備と申立手続

(2)特別縁故者への相続財産分与の申立の為の資料取得等の準備と申立手続

を要します。

そして(2)の申立後には、相続財産管理人に対する説明と、家庭裁判所調査官に対する説明も要します。

これらの手続を経ても、相続財産(被相続人の債務等の清算後の財産)の全額が特別縁故者に分与されるわけではありません。

7 遺言が作成された場合であれば、相続発生後、直ちに相続財産を遺贈による取得することが可能ですが、③特別縁故者型の相続財産管理人選任による場合には、

ア)相続財産管理人選任時から特別縁故者への相続財産分与申立が可能となるまで、約1年(選任の公告:2か月、債権者・受遺者に関する公告:2か月以上、相続人に関する公告:最低6ヶ月)を要する上に、

イ)特別縁故者の財産分与申立期間は、相続人が名乗り出るための公告期間満了日から3か月以内との制約があります。

投稿者: 北薗法律事務所

2018.02.13更新

1 奨学金破産が増えているとの新聞報道がありました。

2 就職したばかりで特記すべき財産が無い場合、破産手続に要する費用は、①申立手続のための弁護士費用と、②裁判所への予納金(官報掲載費用等のため。)等の費用のみであり、③破産管財人(主に、破産開始時の財産を調査・換価し、債権者への配当を行う。)の報酬の為の裁判所への予納金(通常30万円)は必要ありません。

債権者への配当の可能性が無いため、破産手続開始と同時に破産手続廃止となり(「同時廃止」)、債権者への法的支払義務を免れる(「免責」)決定により、債務を支払う義務が無くなります。

3 破産・免責によって奨学生本人が返済義務を免れても、奨学金返済債務の保証人となっている身内の方の支払義務はそのままです。保証人が、奨学金の返済債務により、住宅ローン等他の債務の返済などの生活設計を狂わせてしまい、破産申立をやむなくする場合もあります(連鎖破産)。

4 奨学金の保証を身内などの「人的保証」ではなく保証機関とする「機関保証」とすれば良い、との意見がネット上で見られます。機関保証の場合、一定の保証料は必要ですが、奨学生本人が破産しても(機関保証債務の保証人になっていなければ)身内に奨学金返済債務が及ぶことはありません。

一定の保証料負担を懸念して人的保証とし、上記3の事態になることもあるようです。

5 奨学金の借り入れではなく、親が教育資金を借り入れ、その返済のため他の金融機関等から借りるも、結局返済困難となり、破産申立に至るという場合も少なくありません。

この場合、親が自宅不動産を保有していたり、退職金取得見込があったりする場合には、「同時廃止」ではなく、破産管財人による財産の調査・換価・配当を要します(「管財事件」)。そのため、上記1③の管財費用を予納する必要があります。

投稿者: 北薗法律事務所

2018.01.25更新

1 免許取消処分(不利益処分・行政処分)の聴聞通知書を受領した段階で当事務所に相談に来られた依頼者の聴聞に付き添いました。

2 私が依頼者の聴聞手続きに付き添うのは、今回で2回目です。

前回は、警察官による取調べ段階(刑事事件)で相談に来られて受任しましたので、管轄の警察署・検察庁宛に提出した書面(弁明事項を記載した意見書)が、聴聞日前に、同署より公安委員会に送付されておりました。

今回、弁明事項を記載した書面を聴聞日前に提出することにつき、公安委員会に問合わせたところ、聴聞当日に提出して下さいとの回答でした。

そのため、聴聞当日の付添の際に弁明書面を提出することになりましたが、一人当たりの聴聞時間は20分程度ですので、あまり長い書面(かつ資料添附の多い書面)は避けた方が良いかもしれません。

3 本日は、呼出時間の20分ほど前に到着しました。

まずは、受付でネームプレートを受け取り、「補佐人出頭許可申請書」を本人と付添人が連名(付添人1名につき1枚)で作成して提出します。

その後、呼出時間になると同日呼出の全員が待機室に通されます。

4 待機室では、

①聴聞の目的(刑事事件の取調べとは異なる手続であること)

②弁明書面があれば提出すること

等の説明が10分程度なされます。

その後、聴聞のため、順次別室へ呼ばれます。

5 別室はいくつかの区画に分けられており、主に聴き取りをする方(主査)と主に記録をする方(副査)が2名1組で各区画において聴聞を行います。

今回は3区画で同時に聴聞が行われました。1組の聴聞者が、3~4名を担当していました(前回は4区画で1組が5人ほど担当していました。)。

6 上記2のとおり、聴聞時に主査に弁明事項記載の書面を提出したところ、同書面に目をとおしながらの質問となりました。

6 聴聞後は、処分の告知(運転免許取消処分通知書の交付)の時間(同日午後4時頃)まで各々待機します(外出も可)。告知は補佐人(付添人)が同席することができませんので、本人のみ告知を受けに戻ります。全体の手続は、午後4時30分には終了します。

 

投稿者: 北薗法律事務所

2017.12.25更新

1 相続事案に際し、私が最も多く参照する文献である「家庭裁判所における遺産分割・遺留分の実務(日本加除出版株式会社)」の第3版が、平成29年10月に出版されています。

2 預貯金債権の遺産分割対象性等に関する記載が増加されています。

3 気になった箇所を拾い読みしました。

(1)ア 電話会議システムを利用する場合、当事者に手続代理人として弁護士が付かない場合(本人が相手方当事者である場合)に、電話の相手方の本人確認をどうするかという留意点があります。

イ 本書によると、「調停裁判所から相手方所在地近くの裁判所へ手続共助という形で調停室の借用と本人確認を依頼し、相手方にその裁判所へ出頭してもらう運用により、利便性と公正な手続のバランスを保つ工夫がなされている。」(36頁)とのことでした。

(2)ア 最近、破産管財事件の処理の中で相続が問題となった事案で、第三者に相続分譲渡(相続人が複数いる場合、相続財産全体に対する各相続人の持分を他者に譲渡する)をして、被相続人の遺産分割を行うかどうかを検討することがありました。

イ 遺産分割後の不動産の登記手続が不明でしたので、いつも相談をしている司法書士の先生にお聞きして回答を頂いたのですが、その回答と同じ内容が本書にも記載されていました。

ウ すなわち、「被相続人名義の不動産について、共同相続人以外の第三者が共同相続人のうちの一人から相続分の譲渡を受けた場合に、譲渡を受けた者の名義にするには、①相続を原因とする共同相続人への所有権の移転の登記を経た上で、②相続分の譲渡による持分の移転登記を順次申請するのが相当である。(登記研究728号243頁)」(120頁)とのことでした。

(3)ア 預貯金債権が遺産分割の対象となることに関連して、遺産分割の対象とならない財産である、遺産である賃貸不動産から生ずる賃料が被相続人名義の預貯金口座に入金された場合の取扱いが気になっていました。

イ 収益物件の管理件数が多いので、頭を整理しておく必要がありました。

ウ 本書によると、「賃料が相続開始後に被相続人名義の預貯金口座に入金がされた場合においても、利息と同じように、相続開始時の残高相当額部分のほか相続開始後に入金された賃料を含む預貯金債権全体が遺産分割の対象となると考えられる。」「相続開始後に被相続人名義の預貯金口座を残すという相続人全員の合意は、その後に入金される賃料も遺産分割の対象に含める旨の合意を含むと解されるからである。」「しかし、共同相続人の一人につき超過特別受益が認められ、具体的相続分がない場合においては、同人は相続開始後に入金された賃料を取得できなくなるという問題が生ずるので、このような場合には上記合意が成立することはないと考えられる。」「実務においては、賃料が入金される一方で経費やローンが引き落とされ、その経費に当該不動産以外のものが含まれている場合がある。この場合は、経費との差し引き計算をする煩雑さを考慮して、入金額を遺産分割の対象とはせずに、別扱いとし、収入と支出につき別途に計算して分配している。」とのことでした。

投稿者: 北薗法律事務所

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