弁護士北薗のBlog

2018.08.09更新

今日は、不動産の明渡しに関する強制執行申立書等の起案、相続の問題の検討、自動車損害賠償保障法の検討を行いました。

強制執行、自賠責に関しては、これまであまり勉強したことがなかったため、北薗先生から書籍を借りて、根拠条文を確認しつつ起案を行いました。修習中には、司法試験との関係では直接的に勉強しなかった多くの法律を調べなければならない場面に多く遭遇します。ロースクールでも、文献や判例の調査を行っていましたが、弁護修習では起案の〆切があるため、その速さも要求されます。私は、基本となる文献の注釈等から芋づる式に調査の範囲を広げ、適宜付箋を張りつつ、必要な情報をまとめていきます。

今日は、北薗先生が作成した相続に関する問題について検討を行いました。「なぜ、その手段を選択したのか」という問いに対して、選びうる選択肢に関してそれぞれの違いは何かを検討するのですが、表層的な部分に囚われてしまい、当事者の利益という視点が抜けてしまっていました。依頼人には、弁護士費用の支払いがあり、相続には税金の問題も絡んできます。司法試験の問題では、弁護士費用や税金も含めた紛争の解決といった視点から、回答が求められることはあまりありません。修習で実務を学ぶという意義は、こういった新たな視点の獲得といった点もあるのだと感じました。

また、起案以外に打合せにも立ち会わせていただきました。

投稿者: 北薗法律事務所

2018.08.09更新

1 当事務所に「出張」弁護修習に来ている修習生に、昨日もいろいろな課題に取り組んでもらいました。指導したポイントがいくつかありました。

2 執行申立書の起案

執行文付与の申立書と、送達証明申請書の起案が欠落していました。

3 相続案件の方針検討

(1)相続税の基礎控除額の検討に気付けなかったようです。

(2)物の譲渡は譲渡行為と譲渡原因の2つの視点での検討が必要です。

不動産の譲渡については売買や贈与の視点での検討ができていましたが、債権譲渡や相続分譲渡の場面で原因(売買、代物弁済、贈与等の検討)の視点が抜けてしまっていました。

(3)本件は、特別縁故者に対する相続財産分与の審判を得た案件でした。

上記2にて執行完了後までの手続の検討をしたことを生かして、審判後登記を実現するまでに必要な手続まで検討して欲しいところでした。

依頼者の求めていることは、登記完了までであって、審判取得までではありません。

4 依頼人との打合せ立会い後に、必要起案は何かの検討も含めて課題としました。検討事項が2つあることを打合せ立会い時に確認していましたが、1つは欠落していました。

5 今回も『北薗法律事務所修習日記3』(本人の了解を得て当ブログに掲載しています。)を提出してくれました。よろしければご覧ください。

投稿者: 北薗法律事務所

2018.08.08更新

今日は、任意売却の決済に立ち会いました。

先週立ち会わせていただいた案件と同じく、北薗先生が相続財産管理人として行う不動産の任意売却の決済です。今回も、当事者の方々のご厚意で、決済に立ち会わせていただきました。

決済では様々なことが同時に行われますが、任意売却の目的不動産の状態によって行われる内容が変わってきます。例えば、任意売却の目的不動産が誰かに貸し出されている場合があります。その場合、決済では、売主と買主の間で、賃料収入の清算が行われます。

なお、目的不動産が貸し出されている場合、新所有者に対する対抗力の問題が残ります。賃借権の登記がなされておらず、借地借家法の適用もない場合、借主側としては、どのような対応が考えられるのか。この点については、賃貸借契約書に、貸主が目的物を譲渡する場合に関する条項を追加するようです。その場合、決済では、不動産仲介業者から、買主に対し、その旨の説明が行われます。

また、担保権者が複数存在する場合があります。担保権者が複数存在する場合には、全ての担保権者から同意を得て任意売却を行わなければなりません。後順位抵当権者等には、配当が回ってこない場合もありますが、担保権解除料として、数十万円のお金が支払われるのが一般的なようです(「ハンコ代」と呼ばれることもあります)。

民法上、被相続人の残余財産は国庫に帰属することとされています(民法959条)。しかし、実務上不動産の状態で国が残余財産を受け取ることは難しく、相続財産管理人は、相続財産の換価に努めます。道路と接していない土地や山林は、値段を下げても買い手がつかず、換価が困難となることが多くあります。

任意売却とは直接関係のない話で興味深かったのは、電柱の敷地利用料に関する話でした。土地取引においては、電力会社に連絡をし忘れ、売主に電柱の敷地利用料が支払われ続けることも少なくないようです。

事務所に戻ってからは、任意売却で気になった点について調べ、その後、破産に関する記録を読んでいました。

投稿者: 北薗法律事務所

2018.08.08更新

1 当事務所に「出張」弁護修習に来ている修習生に、先週に続いて決済に同席してもらいました。

2 相続財産管理人の案件でしたが、今回の案件には、多重債務型であるため売却して換価するほかない、という事情がありました。当該不動産は売却が非常に困難であり、今回決済に至るまでに、競売手続にて3回入札がなされましたが落札者が無く、競売が職権(民事執行法)で取り消されている案件(いわゆる「スリーアウト」)でした。

3 また、当該不動産は複数の賃貸借契約の目的物でもありました。

4 今回の決済立会いの検討事項など、『北薗法律事務所修習日記2』(本人の了解を得て当ブログに掲載しています。)にまとめてくれています。よろしければご覧ください。

なお、決済の場で、私と仲介業者が、賃貸借契約が複数あることに触れて話していましたので、もしその点に気付いていれば、「隠しポイント」も加点するつもりでした。

 

投稿者: 北薗法律事務所

2018.08.07更新

第71期司法修習生です。

今日から1週間、北薗法律事務所で(出張)弁護修習をさせていただいております。

今日は、津地方裁判所某支部で行われた弁論準備手続に立ち会いました。

さて、司法修習生は、事前に記録を読み、訴訟物、請求原因、抗弁等を確認してから期日に臨むのが一般的だと思います。私も、例にもれず、できる限りのことをして、期日に立ち会おうと心掛けています(民裁修習中に、裁判官から訴訟物と要件事実について何度も質問を受けたことも影響しています…)。今日の事件についても、事前に記録を読み、訴状物等の確認を行いました。しかし、関連事件が十数件に及び、事件の全体像まで把握することはできませんでした。実務修習も終盤戦に突入し、未だに慣れないのが「大量の情報を短時間に(アウトプットに耐えうる程度に)インプットすること」です。記録を読むスピードは上がってきましたが、事件関係者や数字が多く登場すると、一気に頭が混乱します。おそらく、記録をメリハリなく読んでしまっているのが原因だと思います。これから経験を積むことで、大量の情報の中から、重要な情報を抜き出すことができるようになるのでしょうか。

今回の事件は、事件が複雑であり、その全体像を理解するためには、お金の流れを正確に把握しておく必要があると感じます。事件関係者が多く、数字も多く登場する事件です。記録の中を行ったり来たり、メモを取りつつ図示して視覚化していきます。

期日終了後、事務所に戻ってからは、「期日報告書」の作成を行いました。期日の内容については、毎回メモ帳にメモをしていますが、詳細なメモまではしておらず、期日報告書の作成を期日終了後に言い渡され、猛暑の中、冷や汗まで出たとか出ないとか…。

期日報告書とは、訴訟代理人である弁護士が、裁判所の期日に行われた内容を依頼者である企業等に報告するものです。原則、その日のうちに作成され、依頼者に送付されます。弁護士によって、その内容は千差万別で、一言一句漏らさず書かれているものから、要点をまとめたものまで様々です。今回、私は、北薗先生が以前作成した報告書や「若手弁護士のための民事裁判実務の留意点」(圓道至剛)を参考に作成しました。相手が企業ということもあり、導入部分も丁寧に作成しましたが、企業だからこそ、余計な部分は必要がないのかもしれません。

また、事務所に戻ってからは、別件の事件(請負代金請求)に関して、訴状の作成を行いました。限られた資料で作成しましたが、色々と当事者に聞きたいことも頭に浮かび、資料が少ないうちでも一度起案して、問題点を想像してから打合せにのぞむことが重要であると感じました。

投稿者: 北薗法律事務所

2018.08.07更新

1 今週も、司法修習生が当事務所に「出張」弁護修習に来ています。

「出張」期間中、『北薗法律事務所修習日記』を提出してくれるようです。

(修習日記も本人の了解を得て当ブログに掲載しています。)

2 昨日は、弁論準備期日に同席してもらった後、期日報告書の作成を課題としました。

当事務所の期日報告書は、

①双方当事者の提出書類の説明

②裁判所からの釈明等、期日内のやりとりの報告と説明

③今後の方針と依頼者の準備事項

などを書くようにしています。

3 また、サービサーへ債権を売却した案件の記録を見てもらいました。

サービサーへの債権売却手続の大まかな流れは以下のとおりです。

①サービサーへの買取額見積依頼

②売買契約書作成

③売買代金の入金

④債務者に対する債権譲渡の通知

⑤債権譲渡通知書の配達証明書を受領次第、通知書と証明書をサービサーに送付

⑥債権譲渡の基準時以降入金額をサービサーに交付

4 その他、別件の訴状の起案も課題としました。

投稿者: 北薗法律事務所

2018.08.01更新

1 不動産の任意売却の決済に立ち会わせていただいた。任意売却に関する事前知識としては、「住宅ローンの支払いが困難となった場合に、強制競売よりもその返済額を高額にすることができる手段」という程度の知識しかなかった。
 また、今回の任意売却は、北薗先生が相続財産管理人として行うものであった。司法修習生は、家庭裁判所でも修習を行うが、修習期間が短いこともあり、相続財産管理人については、司法試験レベルの知識しかなかった(なお、恥ずかしながら、司法試験レベルの知識に関しても、徹底した復習が必要だとは感じている)。
 以上のような状況であったため、私の決済立会い前の知識レベルは、直前に書籍等を読んで詰め込んだ程度である。
2 決済のおいては、事前にほとんどの準備がなされており、当日は、各種書類の受け渡しが瞬時に行われ、手続きが停滞することはなかった。なお、着金の確認時間に関しては、金融機関によって差異があり、場合によっては長時間待たされることもあるとのことである。
  決済当日、不動産仲介業者の方が、様々な準備、手続きを行っていたのが印象的だった。任意売却を主導する中心的な役割を担うのは不動産仲介業者であることが多い。
3 任意売却には、様々な条件が付加される。例えば、農地転用する場合には、その許可が必要となる(農地法5条)。その場合、売買契約書には、その停止条件として、家庭裁判所の許可(相続財産管理人の権限外行為であるため)、担保権者等の協力(任意売却との関係)と並んで農地法5条の許可が記載されるとのことである。誰が農業委員会に許可申請をするのか等、更なる理解に努めたい。
  なお、農地転用に関しては、登記の地目変更が必要であり、任意売却の決済では、地目変更まではできないとのことである。決済後には、司法書士によって各種登記申請の手続きが行われるため、地目変更も含めて行われるのかと思っていたが、そもそも地目は土地の現況が変わらなければ変更できず、その変更も土地家屋調査士によって行われる。
4 今回は、北薗先生をはじめとする任意売却の当事者の方のご厚意により、決済に立ち会わせていただいた。大変勉強になったと感じる一方で、自分の勉強不足も痛感した。今回の経験を、今後の修習に活かしていきたい。

投稿者: 北薗法律事務所

2018.08.01更新

1 本年も、司法修習生が当事務所に「出張」弁護修習に来ています。

今日は、決済(相続財産管理事件の管理不動産売却)に立ち会ってもらいました。

2 私から修習生に出した課題は、以下の3つです。

①決済の場で行われる法律行為を説明せよ

②決済後、相続財産管理人選任処分の取消審判までに必要な事項を説明せよ

③決済に立ち会っての感想文

3 課題①と②について、特記すべき「漏れ」はありませんでした。

4(1)課題③の感想文は、当日得た知見を記載するように指示しました。

(感想文も本人の了解を得て当ブログに掲載しています。)

(2)今回の決済は、抵当権者がサービサーであったところ、サービサーの存在については知っていたものの、サービサーの組織や弁護士法72条・73条との関係については、少し知識が不足していたようでした。

5 司法修習生としては、応用問題として、農地の扱いや登記手続、要件事実等も勉強しておくと良いと思います。

また、司法書士や土地家屋調査士の権限については、不動産登記簿の「表題部」と「権利部」との区別と合わせて理解しておくことが必要です。

投稿者: 北薗法律事務所

2018.06.08更新

1(1)相続財産管理人(相続人不存在の場合に選任される相続財産の管理者)が、相続財産に属する不動産を国庫へ引継ぐ際の従前の運用例について、文献では次のとおり記載されていました。

「実務上、不動産を国庫に引き継ぐのは例外的であり、相続財産管理人が権限外行為許可審判を得て現金化(換価)した上、家庭裁判所に納入するという方法がとられています。この理由として、財務局において、国有不動産の管理に係る予算措置を講ずるのが困難であることや早期に売却しなければならないこと等の理由があり、家庭裁判所に対し、金銭による納入を望んでいるという背景があります(片岡武ほか『第2版 家庭裁判所における成年後見・財産管理の実務』421頁(日本加除出版、平成26))」

(2)そのため、従来は、相続財産の中に境界の確定が困難な不動産や僅少な面積の不動産(財務局が引継ぎに慎重になる不動産)がある場合には、相続財産管理人としては、隣地所有者に買い取ってもらう等して、すみやかに処分するのが相当とされてきました。

(3)私も、相続財産管理人に選任された案件に関し、これまでは、不動産は全て処分のうえ、金銭を国庫帰属させてきました。

2 ところが、平成29年6月27日付で理財局から財務局に対してだされた「国庫帰属不動産に関する事務取扱について」と題する事務連絡では、「相続人不存在不動産」に関し、概要以下2点のとおりとされています。

(1)相続財産管理人から相続人不存在不動産に関する相談が財務局等になされた場合、必要に応じて、「清算に必要な弁済額以上の換価を行う必要がないこと等」の説明を行うこと。

(2)相続人不存在不動産の現地調査に関し、相続財産管理人が遠方である等やむを得ない理由により立会いをすることができない場合は、「相続財産管理人の立会いを省略しても差し支えない」こと。また「公図混乱地域等で現地の特定が困難な場合は現地調査を省略しても差し支えない」こと。

3 上記2の事務連絡は、同日付で、財務省理財局から最高裁判所事務総局家庭局にも参考書類として送付されています。

4 以上の点を踏まえて、先日、相続財産管理人に選任されている事案において、管理不動産に関する報告書を家庭裁判所に提出したところ、家庭裁判所より国庫帰属を財務事務所に打診されたい旨の指示がありました。

5(1)そこで、財務事務所に連絡をした結果、来週、国庫帰属に関する打合せを行う予定です。

(2)財務事務所との連絡の中で、事前協議段階における現地調査について、上記2(2)のとおり現地調査の省略が可能であることに関するやりとりもありました。

6 本件については、家庭裁判所も国庫帰属の実際の運用状況に関心を持たれているとのことですので、今後の状況を適宜報告していく予定です。

投稿者: 北薗法律事務所

2018.04.09更新

1 故人の相続人(配偶者、両親、子、兄弟姉妹、及び兄弟姉妹の子)の存否が不明の場合(相続人が放棄した場合も含む)、家庭裁判所への申立により、相続財産管理人が選任されます。

相続財産管理人を受任した経験上、被相続人が多重債務者であり相続人全員が相続放棄したという場合(①多重債務型)が多いです。他に、相続財産を国庫に帰属させる場合(②国庫帰属型)、被相続人の生前に生計を同じくしていたり被相続人の療養看護に努めていたりした人(特別縁故者)がいる場合(③特別縁故型)があります。

2 上記1①ないし③の全ての型の相続財産管理人案件を受任していますが、現在、③特別縁故型の案件を複数受任しています。

3 最近は、相続人がいない人の相続につき、③特別縁故者型の相続財産管理人事件が増えつつあるのではないか、という印象を持っています。

4 特別縁故者として相続財産分与申出という方法があることを知っている方の中には、相続人の生前において、特別縁故者への遺贈を定めた遺言を作成してもらうという方法を知っている方もいます。

もっとも、特別縁故者が従兄弟など本人と一定の関係を有している場合、本人の生前には遺言の作成をなかなか申し出ることができず、特別縁故者への相続財産分与申立をするということもあります。

5 特別縁故者に対する遺贈を定めた遺言は、一般に遺言に関しよく発生する「遺言無効の紛争」や、「遺留分」(法定相続人に保障された最低限度の取得分)を巡る争いは通常発生しません。そのため、特別縁故者に対する遺贈を定めた遺言を作成しておけば、相続財産管理人選任申立という煩雑で期間も要する手続きを経ることなく、比較的スムーズな相続を行うことができます。

6 ③特別縁故者型の相続財産管理人選任による場合には、

(1)相続財産管理人選任申立の為の資料取得等の準備と申立手続

(2)特別縁故者への相続財産分与の申立の為の資料取得等の準備と申立手続

を要します。

そして(2)の申立後には、相続財産管理人に対する説明と、家庭裁判所調査官に対する説明も要します。

これらの手続を経ても、相続財産(被相続人の債務等の清算後の財産)の全額が特別縁故者に分与されるわけではありません。

7 遺言が作成された場合であれば、相続発生後、直ちに相続財産を遺贈による取得することが可能ですが、③特別縁故者型の相続財産管理人選任による場合には、

ア)相続財産管理人選任時から特別縁故者への相続財産分与申立が可能となるまで、約1年(選任の公告:2か月、債権者・受遺者に関する公告:2か月以上、相続人に関する公告:最低6ヶ月)を要する上に、

イ)特別縁故者の財産分与申立期間は、相続人が名乗り出るための公告期間満了日から3か月以内との制約があります。

投稿者: 北薗法律事務所

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