2011.10.26更新

1 逸失利益は、損害の発生期間が将来かつ長期にわたります。

2 そうしますと、若年者であるがゆえに、事故時点での収入水準が
  低く抑えられているケースが多いため、事故時点の一瞬の収入水
  準をそのまま固定して、稼動期間全期間における収入額とするこ
  とは、必ずしも合理的とはいえないことになります。

3 この点、裁判所は、いわゆる「三庁共同提言」として、比較的若年
  の被害者で生涯を通じて全年齢平均賃金または学歴別平均賃金
  程度の収入を得られる蓋然性が認められる場合には、基礎収入
  は全年齢平均賃金または学歴別賃金により、上記以外の場合に
  は基礎収入は事故前の実収入額による、という提言をしています。

4 先日読んだ文献によると、被害者が事故時30歳未満の裁判例で
  は、全体(120件弱)の8割強について、基礎収入に全年齢平均
  賃金を採用しており、これに対し、被害者が事故時30歳以上35歳
  以下の裁判例は、全体(約40件弱)の2割程度しか全年齢平均賃
  金を採用していなかった、というデータが出ていました。

5 「蓋然性」の問題でもあり、立証の方法による部分が大きく、現在・
  過去の職業、収入等を立証することが必要となってくるため、専門
  家に相談する方が良いと考えます。

投稿者: 北薗法律事務所

2011.10.23更新

一、 以下は主として貸金の回収にかかわる事項です。
   破産管財人や法律相談として貸金回収にかかわったものを
   整理してみました。

二、 証拠はあるか。
   契約書すらない場合があります。

三、 書面(証拠)は有効か。
   1. 債務者(借主)の特定、文書の作成者は債務者か立会人か
   2. 弁済期
   3. 期限の利益喪失
   4. 貸付日と契約日が対応しているか。貸金を一本化した場合には、
     一本前の金額が争いになることがあります。
   5. 貸金の返還約束が記載されたものか否か

四、 回収可能性(回収努力)
   1. 差押対象情報  a. 税務申告書 b. 信用情報 
   2. 追加担保の可能性  人的・物的
   3. 執行費用... 1)  不動産 
             2) 債権という対象物、費用を踏まえたメニュー
               を考える必要があります。

五、 回収可能性 (倒産に至る場合)
   1. 破産配当の手続一般

投稿者: 北薗法律事務所

2011.10.18更新

1. 登記の申請は、権利を得る人・失う人の双方の申請が必要です。
      失う人は登記義務者とよばれます。

2. ところが、不動産を売却して登記未了のまま売主が死亡して、そのまま
  放置して売主の相続人が死亡(再転相続)した場合、相続人(登記義務者)
  が数十人になり、かつ全国(たとえば九州、大阪等)に居住しているという
  ことが発生することもあります。

3. そうすると、売主の相続人の中には、登記協力のための買主側が作成し
  た事情説明の文書の受取を拒否する人も出てくることになります。

4. この場合、相続人の協力が得られないので、その相続人に対して判決
  を取得して、権利を得る人、即ち登記権利者単独で登記することになり
  ます。

5. 私は現在、登記義務者が数十人の事件と、百人程度の事件を受任して
  います。

投稿者: 北薗法律事務所

2011.10.03更新

1 不動産の任意売却を担当している不動産業者から、敷金の
  引継について相談がありました。
   (私が売却を依頼している不動産ではない)

2 競売の場合にどうなるか、という話である。

3 司法修習生の『執行』の講義で説明した内容と同じことを説明
  しておきました。
  即ち、
   ① 抵当権より先に対抗力を備えた賃借権
   ② ①でなくて、改正前の旧民法が適用される賃借権
   ③ ①でなくて、現民法が適用される賃借権
  の3種類で結論が(明渡し時期も含めて)異なることを説明しま
  した。

4 難しい問題が含まれていることがあるので、実際の事案(差押
  の時期、更新の時期等も関係する場合があります)で検討する
  必要があります。

投稿者: 北薗法律事務所