弁護士北薗のBlog

2018.02.13更新

1 奨学金破産が増えているとの新聞報道がありました。

2 就職したばかりで特記すべき財産が無い場合、破産手続に要する費用は、①申立手続のための弁護士費用と、②裁判所への予納金(官報掲載費用等のため。)等の費用のみであり、③破産管財人(主に、破産開始時の財産を調査・換価し、債権者への配当を行う。)の報酬の為の裁判所への予納金(通常30万円)は必要ありません。

債権者への配当の可能性が無いため、破産手続開始と同時に破産手続廃止となり(「同時廃止」)、債権者への法的支払義務を免れる(「免責」)決定により、債務を支払う義務が無くなります。

3 破産・免責によって奨学生本人が返済義務を免れても、奨学金返済債務の保証人となっている身内の方の支払義務はそのままです。保証人が、奨学金の返済債務により、住宅ローン等他の債務の返済などの生活設計を狂わせてしまい、破産申立をやむなくする場合もあります(連鎖破産)。

4 奨学金の保証を身内などの「人的保証」ではなく保証機関とする「機関保証」とすれば良い、との意見がネット上で見られます。機関保証の場合、一定の保証料は必要ですが、奨学生本人が破産しても(機関保証債務の保証人になっていなければ)身内に奨学金返済債務が及ぶことはありません。

一定の保証料負担を懸念して人的保証とし、上記3の事態になることもあるようです。

5 奨学金の借り入れではなく、親が教育資金を借り入れ、その返済のため他の金融機関等から借りるも、結局返済困難となり、破産申立に至るという場合も少なくありません。

この場合、親が自宅不動産を保有していたり、退職金取得見込があったりする場合には、「同時廃止」ではなく、破産管財人による財産の調査・換価・配当を要します(「管財事件」)。そのため、上記1③の管財費用を予納する必要があります。

投稿者: 北薗法律事務所